まだ投資を始める前の私は、自分で働いて稼いだお金を、よく知らないものに入れるのはよくないと感じていました。
なんとなくで始めるのではなく、まずは投資の対象についてある程度知っておきたい。
そのうえで、インデックス投資にはどんなメリットがあるのか、始めたあとにどんな考え方で続けていけばいいのかも知っておきたい。そう思って読んだのが、『インデックス投資は勝者のゲーム』です。
投資前に読んだときは、データや専門用語も多く、当時の自分には少し難しく感じました。
それでも、何に投資をするか決める前に、「どういう考え方で選ぶのか」を整理するきっかけになったので、読んだ意味は大きかったと思っています。
今回は、投資前に読んだときに何が残ったのか、そして2年半ほど積み立てを続けた今、読み返してどう感じたのかを書いてみます。
この記事でわかること
- インデックス投資がなぜ選ばれるのか
- 投資前に知っておきたかったコストの考え方
- 始めたあとにどう考えて続けるか
1. 投資前にこの本を読んだ理由
投資を始める前の自分が知りたかったのは、「結局どれを買えばいいのか」だけではありませんでした。
それよりも先に、次の3つを知っておきたいと思っていました。
- そもそも何に投資をするものなのか
- インデックス投資にはどんなメリットがあるのか
- 始めたあとに、どんな考え方で続ければいいのか
著者のジョン・C・ボーグルは、ヴァンガード創設者として知られ、個人向けインデックス投資の普及を大きく後押しした人物です。
そのため、この本はインデックス投資に深く関わってきた人が書いた一冊として読むことができます。
そうした著者の立場を踏まえつつも、投資前の自分にとっては、インデックス投資の考え方を知る入口として役立つ本でした。
長く保有する前提なら、最初に持つ考え方がその後のリターンにも関わると思ったからです。
ただ商品を選ぶだけではなく、値動きがある中でどう向き合うのかも含めて、土台を作っておきたい気持ちがありました。
この本を読んでよかったと思うのは、何となく良さそうで選ぶのではなく、低コスト、分散、長期保有といった考え方を意識できるようになったことです。
投資の対象を知ることと、投資を続けるときの考え方を一緒に整理できたのは、投資前の自分にとって大きかったと思います。
2. 投資前に印象に残った3つのポイント
この本を読んで、特に印象に残ったのは次の3点でした。
- 売却時の税金だけでなく、信託報酬や購入時手数料も無視できないこと
- わずかな差でも、長く続けると大きな差になりうること
- アクティブファンドの中から選べばいい、とは単純に言えないこと
投資前の自分は、コストといえば税金くらいしか強く意識していませんでした。
だからこそ、見えにくいコストが長期では差になる、という話はかなり印象に残りました。
また、平均や指数を上回れる商品があるなら、そういうものを探せばいいのでは、と考えていた時期もありました。
でも、この本を読んでからは、その考え方自体を少し見直すようになりました。
3. コストの見方が変わった理由
いちばん印象に残ったのは、コストの見方でした。
本書では、見えにくいコストでも長期では無視しにくい差になることが、いろいろな説明を通して繰り返し書かれていました。
当時の自分は、税金以外のコストをそこまで意識していなかったので、ここは特に印象に残りました。
何に投資をするかだけでなく、その商品を持ち続けることでどんなコストがかかるのかを見る視点を持てたのは、投資前に読んだ意味の一つだったと思います。
今の自分の投資方針でも、重視しているのはコスト・税金・仕組み化の3つです。
この本を読んだことが、その考え方の土台の一部になっていたと感じています。
4. アクティブファンドへの見方が変わった理由
当時は、平均や指数を上回れる可能性があるなら、アクティブファンドの中から良いものを選べばいいのでは、と考えていた時期もありました。
ただ、この本を読んでからは、その発想自体を少し見直すようになりました。
本書では、低コストで市場全体に広く投資する考え方が一貫して重視されていて、「勝てそうなものを探す」よりも、「余計なコストや判断ミスを減らす」方へ視点が向きます。
もちろん、これだけでアクティブファンドを全部否定するつもりはありません。
私自身、アクティブファンドや個別株を長く運用してきたわけではないので、経験ベースで優劣を断言することもできません。
それでも、働きながら長く続ける前提で考えたとき、自分には高いリターンを狙えるものを探すよりも、低コストで広く分散されたインデックスファンドを軸にする方が合っていると感じました。
5. 本書の要点はシンプルだった
要点は、意外とシンプルでした。
最初に読んだときは難しく感じた本でしたが、読み終えて残る要点は意外とシンプルだったと思います。
大きく言えば、次の4つです。
- 低コスト
- 分散
- 長期で持つ
本書では、こうした考え方を一つの視点だけでなく、いくつかの角度から何度も説明してくれます。
だから、投資前の自分でも「なぜインデックス投資が選ばれるのか」はイメージしやすかったです。
これ一冊だけで投資のすべてを判断するのは違うと思います。
制度のこと、税金のこと、家計とのバランスなど、別に考えるべきことはあります。
ただ、何に投資をするか決める前に、「自分は何を重視して選ぶのか」「始めたあとにどう考えて続けるのか」を整理するための本としては、かなり良かったです。
6. 2年半続けた今、読み返して感じたこと
読み返しても、方針を変える必要はないと思いました。
今回あらためて読み返してみて、劇的に考え方が変わったわけではありませんでした。
ただ、それは悪いことではなかったです。
むしろ、今の自分の投資方針を大きく変える必要はなさそうだと確認できた、という感覚の方が近いです。
私は今、全世界株式のインデックスを中心に、新NISAを使いながら積み立てを続けています。
生活が崩れないことを前提にしながら、コストを抑え、なるべく迷わず続けられる形を優先しています。
この本を読み直して、やはり基本に忠実に進める方が自分には合っていると感じました。
大きく当てにいく方法を探したい人には少し地味に見えるかもしれませんが、長く続けることを前提にするなら、こういう本を一度読んでおく意味はあると思います。
7. この本が向いている人
この本は、次のような人に向いていると思います。
- まだ投資を始めていない人
- 始めたばかりで、何を基準に選べばいいか整理したい人
- 新NISAで長く持つ前提の考え方を作りたい人
逆に、すぐに買う銘柄だけ知りたい人には、少し重く感じるかもしれません。
8. まとめ
『インデックス投資は勝者のゲーム』は、私にとって、投資前には「考え方の軸を作る本」でした。
そして2年半ほど積み立てを続けた今読み返してみると、「今の方針を大きく変えなくていい」と確認する本にもなりました。
これ一冊だけで投資のすべてを決めるのは違うと思います。
それでも、投資を始める前や、始めたばかりの時期に読んでおく価値は十分あると思います。
